イサコお姉さまと呼ばせて下さい!『電脳コイル』

7話「出動!コイル探偵局」の冒頭のモノローグは「イサコちゃんとふたりっきりになりたいと願ってたら、本当になっちゃった!」って解釈でOK?

人の世の噂では
会いたい人のことをずっと考えていると
ふいにばったり出会うことがあるそうです。

ヤサコ姫を救いに、さっそうと現れるイサコ姫。けれど、閉じ込められてしまうふたり。このまま、世界が滅べばいいのに……。

先週の『電脳コイル』は、再びイサコ様フィーバーな内容で、ハラハラドキドキさせられました。

《 京子+ペットがトラブルの渦中に → 助けて一件落着 》

のパターンを何回使うねん! とのツッコミもないわけではないですが、とまどいながら幼児に優しいお言葉をかけられるイサコ様を見てたら、どうでもよくなってしまいました。そうか、これが電脳ジャッ(以下略)。

とはいえ、ヤサコの歩み寄りを拒み「あなたが他人に優しくするのは自分のため」などと斜にかまえてたイサコが、イリーガルも持っていない京子を救ったのは、素直にうれしい展開。安堵する姉妹を見つめる表情の、優しさと淋しさといったら……!

電脳コイル 第7話 m9(^Д^)プギャー(BWSのダイアリー)

師弟関係さえ結べなかったイサコとヤサコも、内腿を強引に触れ、執拗にヤサコへ恥ずかしいポーズを強要したりと、確実に関係をレベルアップ。そのうち「メガネがズレていてよ」なんつって、そっと顔を触れられるのだわ。ああ、ミチコ様がみてる。

ところで、小説版『電脳コイル』でのメガネは、思春期を境にぱったりと使えなくなってしまいます

小説版『電脳コイル』を読み始める。(第弐齋藤 土踏まず日記)

てことは、『マリみて』っつーより、『トップをねらえ2!』


3人のノリコならぬ、3人のユウコだし……(って、それは初代トップの話だが)。
アニメでは大人も普通にメガネをかけてるので、設定が違うようですけどね。

 わたしは子どもだ。だからやっておかなくちゃならないこともある。

(宮村優子『電脳コイル』 第2章 世界はふたりのために)

(注:「あんたバカァ?」の人じゃないよ。声優にみやむーがいれば、フォーカードだな)

小説版のヤサコは、スローペースなアニメ版と違い、ましい面を多く見せてくれます。
闇に包まれているイサコの過去も、チラホラ。アニメと同じ設定かどうかはわかりませんが、気になる方はご一読を。アニメより1歩進んでいる、ふたりの関係にも大注目!

「あたしを、あなたがうしなっただれかの代わりにしないで」
「イサコ」

 ぎょっと天沢さんが黙った。

「その代わりにそう呼んでもいい」
「いやよ」
「イサコ」
「いやだって言ってるでしょ」
「いやなことされるのがすきなくせに」

 だれか、と思った。
 だれか、わたしたちを見ていて。


(第10章 《メガネ》の子どもたち)

フミエもカッコイイぜーー。

「泣いたらだめだよ。子どもなんだから」
 フミエが言った。


(第4章 すべての記憶、すべての冒険、すべての感情)

『電脳コイル』の子供は、強い。『電脳コイル』の子供達は無敵だ。
大人には見えない空間の狭間を駆け抜けて、戦う。


――さて、アニメのイサコ様ですが、来週は浴衣姿を拝めるそうです。
しかも、おろした髪がウェーブとはどういうことぞ? それは三つ編みッ娘にのみ許されたイメチェンのはず。パ、パーマか! ちきしょー、夏だからって色気づきおって!

……本心をいうと、あまりイサコ様にはサービス過剰してほしくないです。
それより、ヤサコの魅力はいつ見れる? そろそろ傍観キャラ、トラブルメーカーの姉、以外の属性が必要でしょう。

今のところ期待するのは、〈引越した理由〉ですね。
これだけ出し惜しみするということは、さぞ大層な理由、小説版とは桁違いの原因が秘められているのでしょう。
とりあえず、受験ノイローゼからモデルガンで児童を襲撃、ぐらいの前科はアリと考えていーのかな? かな?

こんなとこにいるはずもないのに無料配信『秒速5センチメートル』DVD記念

壁紙スレッドで最近よく見る、あのグラデーションのキレーな背景画って誰が描いてるんだろ?

と思ってたら、新海誠でした。


2002年に発表された自主制作アニメ『ほしのこえ』で、一躍有名になったアニメーション作家さんですね。

遅まきながら彼の映像作品を観ました。いはやは、あまりの美しさにうっとりとします。
昔はエロゲーでOPを作ってた方なんですねぇ。それがまたスゲーのなんの。光とグラデーションのハーモニーが、遺憾なく発揮されております。






新海誠の最新作は、3月に公開された映画『秒速5センチメートル』
たけくまさんも「劇場で見ておいてよかった」と絶賛されています。

秒速5センチメートル(たけくまメモ)

で、彼の作品は当然、DVDか劇場でしか観れないのですが……なんと、『秒速5センチメートル』DVD化記念ということで、『ほしのこえ』『雲のむこう、約束の場所』Yahoo!動画で無料配信されちゃいます!

「雲のむこう、約束の場所」「ほしのこえ」の無料配信が決定!

なんとありがたい、太っ腹プロモーション。堂々とタダ見ができるゼ。
現在は『5センチ』の主題歌、山崎まさよし「One more time, One more chance」のPVが視聴できます。このPVが、イ〜具合に映画の予告になってる。1曲で、お腹イッパイになれちゃう眼福MADですので、必見。
(しかし、この曲を聴くとチュートリアルのネタしか思い出されへん。感動を返せ)

グラデーションって、卑怯ですよね。
アタシはよく、ヘタな絵をごまかすためにグラデのレイヤーをオーバーレイで重ねたりします。とてもグラデの威力には抗えない。だって人間、虹や夕焼けを見たら感動しちゃうようにできてるんだもん。

パンツの夏〜見えそで見えないイチゴたち〜

この夏、たかすぃさんがパンツで燃え尽きるそうです。

「ぱんつ本(仮)」にて夏コミ参戦決定!(マンガがあればいーのだ。)

はじめての同人誌が、〈パンツ〉という唯一無二のジャンルだなんて、ホントに漫画が好きで漫画を読んてるのか、パンツが好きで漫画を読んでるのかわからない方ですね。

微力ながら、アタシもいくつかパンツイラストを描かせてもらうことになりました。みなさんも是非、我こそはというパンチラシチュエーションパンチライラストを応募しましょう。

今年の暑さはパンツで乗り切ろうZE! BGMはこれで。


イベント当日の会場では、本を手にした客に、ことごとく「残念、それは私のおいなりさんだ」といいまくるたかすぃさん(パンツ装着済み)に、お目にかかれることでしょう。
それでこそ、我らがパンツ王子

第23回 ひとつの出会いがふたつの恋に進み『きまぐれオレンジ★ロード』

前回のレビュー〈女の4コマ漫画三部作〉は、作品が生々しすぎて書くごとに身につまされ、己の過去を振り返っては苦しむ始末でした。リアルな恋愛モノはもういいや。そろそろ、甘〜い恋バナが読みたい。コテコテのラブコメで身もだえしたい!

というわけで、お次のコンセプトは〈ジャンプ的3大ラブコメ〉。第1作目はもちろん、『きまぐれオレンジ★ロード』です。

1984年〜1987年に「ジャンプ」で連載された、まつもと泉の代表作。
ジャンプ初の本格恋愛漫画で、それまでバトル・ギャグ一色だった少年達に、ラブの何たるかを教えた名作、三角関係の基礎も築きました。

今回は、その懐かしいキャラクター、気になるキーワードについて語りっていきたいわけで……。



★鮎川まどか(あゆかわ まどか)★

何といっても『きまぐれオレンジ★ロード』の魅力は、ヒロイン鮎川の魅力に他なりません。

普段は悪ぶってるくせに、ふたりっきりになると優しくて、ほかの女の子といるのを見ると、すねてみせる。
元が美人なのに、そんな態度とられたらイチコロじゃないですか。オレだけが見れる彼女の笑顔。さみしがりやの本心。たまらん!

「元祖ツンデレ」と呼ばれる往年のキャラクターはたくさんおりますが、鮎川もそのひとり。しかもコビた部分がないから、逆に新鮮だったりします。何人の読者が心奪われたことでしょう。
鮎川への憧憬は永遠。いくつになっても理想のお姉様。色あせない存在感で、我々を魅了してくれました。

(聖子ちゃんカットになりかけみたいなハネ毛も好きでした。今は見ない、80'sの髪型ですよね)



★春日恭介(かすが きょうすけ)★

優柔不断を絵にしたような主人公。
鮎川に会えばメロメロ、ひかるちゃんに会えばフラフラ。その場その場でいい顔を見せて、ふたりの間を行き来する姿に、幼い読者は「オマエ、えー加減にせぇえよ!」と、怒鳴ったものです。
世に優柔不断な男が増えたのも、ひそかに彼の功罪。

まぁ、ラブコメの主人公なんて優柔不断でなければ成り立たないわけですが、彼はそれに加え、はやとちりが多かったのもミソ。
恭介の早合点は彼の行動源でもあり、たまに主人公らしい度胸を見せたと思ったら一方的な勘違いで、周囲に混乱を招くだけという有様。他のジャンプ主人公と違い、なんとゆーヘタレ。

はやとちりで行動する男=ノリだけで生きている男
フタマタしといて「ふたりを傷つけたくない!」などと抜かす男は、彼のように主体性のない男だということです。アナタの周りにもいませんか? 一見、頼もしそうでいて、その実、勢いだけで何も考えずに行動している男が……。


★檜山ひかる(ひやま ひかる)★

「先輩」という単語を、甘いハチミツのような言葉に変えた彼女。
オレもこんな後輩に慕われたい! 人目はばからずベタベタされて困りたい! と思った野郎、挙手。春日恭介を一途に愛する、素晴らしいサブヒロインでした。

正直、リアルタイムで読んでいた頃はキライでしたね。
小学校低学年にとっては、ヒーローとヒロインの恋路を邪魔するワガママ女は、それだけで。「さっさと消えろ」と、呪いながら読んでおりました。

しかし、大人になって読み直すと、なんという破壊的カワイイさ!
最も素直で、最も健気。優柔不断な恭介や気まぐれな鮎川と違い、ひかるちゃんのピュアさといったら、もう!
当時はなぜ、その天使のような人間性に気付かなかったのか。20年前のアタシのバカ!

鮎川と恭介の仲も疑わず、最大限の優しさでふたりに接する彼女。ひたすらダーリンに尽くす、愛らしい姿勢。
今読むと、何も知らない彼女の笑顔が悲しくて悲しくて仕方ありません。どうしてこんな男に……。

そして、追い討ちをかけるような最終回。何故にあそこまで報われないのか。ひどすぎるよ、作者。

真実を知った彼女が、ふたりのために取った最後の行動を見て「一番オトナだったのは、ひかるちゃんなんだ」と、読者は知ります。

かわいすぎるよ、ひかる。至上最強の後輩属性。


★超能力★

『きまぐれオレンジ★ロード』を、すこし不思議なラブコメにしてるのが、春日家の持っている超能力です。
地球を救うためでもなく、敵と戦うわけでもなく、日常でものぐさするためだけに使われる彼らの超能力が、幼い読者には素朴にうらやましかった。

恭介の場合は、主にフタマタをバレなくするために披露されてたしね。なんと情けないサイキッカー。


世に溢れるラブコメ漫画には、「SF要素アリ」「SF要素ナシ」の2種類があります。
『きまオレ』や『ネギま!』、るーみっく作品はその前者ですね。アタシは断然、SFアリのラブコメが好きです。

ラブコメにおけるSFは、やりすぎると生々しくなってしまう恋愛ドラマを、いい具合にコミカルにしてくれるマジカルアイテム。面白さもラブ度もアップするという、おいしい秘薬です。

『きまぐれオレンジ★ロード』でも、超能力の旨味がふんだんに発揮されてました。テレポートしたり、物を動かしたり、時を止めたり、人格を入れ替えたり……。
それによる、ちょっぴりエッチなハプニングも重要。のび太がどこでもドアで移動する先には必ず入浴中のしずかちゃん、みたいな王道です。王道は必ず踏襲しないといけません。

超能力とラブコメの相性がいいのは、超能力にエロを引き出す力があるからでしょうね。みんなも、自分が超能力者になったら真っ先にエロいことするでしょ? 透明人間になって女風呂に入ったり。
そんな幼い願望を形にしたのが、SFラブコメなのです。


いーかげんにシナサイ!

★双子の妹★

いわゆるひとつの萌え要素。
当時はもちろん気付きませんでしたけど、恭介の双子の妹であるまなみくるみは、これ以上ない萌え要員ですよねぇ。脇役にするには惜しすぎる、いや、脇役だからこそ輝く萌えか。

アタシは当然、まなみちゃん派(メガネっ娘の方)でした。アナタはどっちだ?


★アニメ★

『きまぐれオレンジ★ロード』のアニメは、1987年〜1988年の1年間、放映されました。

ここまでレビューしときながら、実は漫画よりもアニメの方が記憶に深い、アタシ。
まず絵が抜群にかわいく、安定しているのが素晴らしかったです(漫画の絵はコロコロ変わりすぎで読みづらかった)。正直、漫画だけではここまでハマらなかったでしょう。

なので、アタシの中に住む鮎川達は、まつもと絵ではなく高田明美絵。あの美しいパステル絵を、真っ先に思い出すわけです。
(あるいはセル絵。当時のジャンプアニメは原作をも凌ぐ出来のものが多かった)

作画の安定だけでなく、オープニングや演出や設定も上手く、何よりもハマりすぎな声優陣がっ!

鮎川役の鶴ひろみさん、恭介役の古谷徹さん、ひかる役の原えりこさん。
この声以外にありえない! と断言できるほど、キャラクターの魅力を引き出していました。

(余談ですが、鮎川と恭介の声優さんって、ブルマとヤムチャの声優さんなんですよねぇ。これを後に知ったときは切なかったなぁ。
同じジャンプカップルでありながら、一方では結ばれ、一方ではまさかの破局……。人生って不思議だよ)


★Like or Love?★

恭介が告げる、最終回の有名なセリフ。

「ひかるちゃんはLike… 鮎川は… あいしてる」

今なお語り継がれる殺し文句ですが……それは漫画だからですよ!?
こんなこと現実に女性に言ったら、ブッ殺されます。本命からも浮気相手からも。「中1の英単語でごましてんじゃねぇ!」と、アタシなら殴る。

(昔、とある恋愛番組で、浮気男が彼女に問い詰められた際に上記のセリフをまんま言ってるのを見たことありますが、「ふざけんなよ。だったら今すぐLikeの方に電話して、同じこと言ってみろ」と、バッサリ返され、男は何も言い返せなくなってました。漫画をパクって浮気の言い訳すんな!)

フィクションの名言が、現実でも名言たりえるわけじゃないです。
なんだかんだで浮気野郎の主人公がハッピーエンドを迎えれたのは、漫画だから
現実にやると、ヤケドだけじゃすまないと思った方がいいでしょう。


――あら?
楽しくラブコメレビューをしようと思ってたのに、また怨念がこもってしまったような。20年も経てば、無垢な少女も擦れきったオバサンになるということですねぇ。嗚呼、あの日にかえりたい。

イサコ様にひざまずき隊、なぶられ隊『電脳コイル』

NHKで放送中の『電脳コイル』が、じわじわ人気を上昇させているようで、うれしい昨今です。
ていうか、コイル人気=イサコ人気。NHK、久々にハジマッタナ

ぶっちゃけ、「電脳バトルはスゴイけど、たまには日常パートもじっくり見たいなぁ」とか「主人公ヤサコの活躍を出し惜しみしすぎだなぁ」とか、物足りない部分もあるにはあるんですが、イサコ様の女王様座りを見てたら、そんな不満はどうでもよくなってしまいます。そうか、これが電脳ジャックか

各所でいわれているように、裏主人公のイサコ『攻殻機動隊』ミニ草薙素子に見えて仕方ありません。これは少佐の小学生時代かと。それ程の戦闘力、貫禄を持ち備えた破壊的少女です。


(さすがにあのハイレグにはできんかった。
本編にスク水シーンがあるなら、どうかコレで)

まだ本編を視られてない方は、6/16(土)PM3:00〜5:00にて、1〜5話までを一挙放送するらしいので、要チェック。
また、こちらの記事がとてもわかりやすく『電脳コイル』の説明をされてますので、ご参照に。

『電脳コイル』で久々に「子ども向けアニメ」を見たと感じた(tukinohaの絶対ブログ領域)

(たしかに「セリフまわしが親切すぎるよなぁ」と視てて思ってましたが、子供向けアニメなんだから当然ですよね。
しかし、巷の子供達はちゃんと『電脳コイル』にハマってるんでしょうか? そのような声がなかなか聞こえてきません。主にマゾ男だけが騒いでいるような気がしないでもなかったり)

やっぱり、今期一番注目しちゃうアニメ『電脳コイル』
電脳世界に住む小さな魔女さんの活躍を、とくと堪能あれ。地味な配色、スタイルが逆に刺激的でたまりませんから。
え、今すぐ見たいって? そんなワガママな方は、ニコニコ動画へ行くしかありませんね。


すいません、間違えました。

『電脳コイル』はupされてもスグ消されるタイプのアニメなので、おとなしくTVかDVDで楽しみましょう。
そして、イサコ率いる九課……もとい、大黒黒客倶楽部へ。入部の儀式は、女王様の足舐めでお願いします。

+ 06/16追記 +

魅力的なのはイサコ様だけでなかった。愛しい電脳生物達よ。
あの名曲とともにホロリとお楽しみください。


アタイの人生、4コマ進んで3ポ下がるなのさ『自虐の詩』〜『おりんちゃん』

これまで紹介してきた『×-ペケ-』『モンキー・パトロール』『臨死!!江古田ちゃん』は、アタシの中で〈女の4コマ漫画三部作〉と呼ばれ崇められております。
(厳密にいうと『×-ペケ-』は女が主人公というわけではありませんが、全キャラクターのネガティブな性格はカンペキに女の産物ということで)

この3作を読めば、いままで理解できなかった複雑な女性の思考回路も、即座に悟りへ。かな〜りディープでデリケートな部分までのぞけちゃいます。のぞきたくなくても。
「3作中2作は読んだことあるし、好きだ」という方は、残りの1作も読まなきゃダメ! お気に召すこと間違いナシですから。

逆に、女性に対し幻想を抱き続けたい男性や、3次元の雌に興味がない男性には、これっぽっちもオススメしません。どうぞ、何も見ぬまま健やかな人生をお過ごしくださいませ。

「…時々…
 どうしても何れかは
 人間の男は人間の女と結ばれなければならないとい事が…
 …恐ろしくなる…」


   ―――新井理恵『×-ペケ-』

たまにふと思い出してしまう、このセリフ。女性嫌悪は男性だけじゃなく、同性でも沸き起こってしまうものなのですよ。避けて通れぬドロドロ。


しかし、ディープな漫画ばかりだと、読むのにも生きるのにも疲れてしまいますね。
お次は、最近読んだ、ほんわか4コマ作品をば。



『がんばれ!メメ子ちゃん』は、「まんがくらぶオリジナル」に連載されている、むんこ作品です。座敷童子にしか見えない柏葉メメ子が、憧れのOL生活を謳歌する微笑ましいお話です。やや肩透かし気味に。
ふたりしかいないDTP部門でのお仕事、クールな上司の岸田さんとのやり取り。それらが、静かなあたたかさでもって読者に伝わってくる。ほのぼのした〈間〉を愛でる漫画です。
メメ子が可愛がられるだけでなく、仕事の厳しさを肌で覚えていくトコも読みどころだ。

同じ、むんこ先生の作品『だって愛してる』も、タイトルに惹かれて買いましたが、あったけぇなぁ
重要な言葉なんてのはそんなに必要なくて、日々の暮らしににじみ出てればそれでいい。だって、愛してるから。そんな夫婦の物語でした。




そして、久々のジャケ買いでヒットだったのが、これ。「アクション」で連載中、川島よしお『おりんちゃん』



はじめてしゃべった言葉が「あのう そろそろしゃべってもいいでちゅか?」というスーパー赤ちゃん、お麟ちゃんもスゲーですが、その母の勝ママに、とにかくハマったトキメイた。
嗚呼、なんちゅーキュートなシングルマザーであろうか。
彼女にセリフはなく、おんぶというより二人羽織で母を操り、暮らしを支えている、通訳係のおりんちゃん。あたふたと鼻水ばかりたらしたお顔(なのに眉間には真剣なしわ)がステキすぎます、0歳児に育てられている母よ。

体のラインも好きだなぁ。ストイックだけど、生活臭を感じられる線がイイのです。


あぁでも、女の人生集大成な4コマといえば『自虐の詩』を置いて他になかったり。これは殿堂入りでぇ〜い!



……あれ、やっぱり♀がメインの4コマばかり読んでる。というか、それが今の主流だからかしらん。
そろそろ『コージ苑』でも読み直そうかなっと。

第22回 ガラスの靴はここに置いてます!『臨死!!江古田ちゃん』

2回に渡り、チョイ古な4コマ漫画を紹介してきましたが、ようやっと現代へ。今回のレビューは『臨死!!江古田ちゃん』です。

「アフタヌーン」で連載中の、瀧波ユカリの4コマ漫画&四季賞受賞作です。現在2巻まで絶賛発売中。他誌に出張掲載されたり、サイン会をやったりと、編集部も大プッシュの様子です。


主人公は、部屋で全裸生活を満喫中の江古田ちゃん。24歳、独身。
1話2コマ目でいきなり「オリモノ」という単語が出てくるあたりが、この作品を語っているというかなんというか。アタシはガッツリとハートをつかまれてしまいました。少年誌でふつー見ないよね、そんなデリケートな分泌液名

アフタヌーンを「毎月乳首が載る雑誌」に変貌させた江古田ちゃんですが、残念ながらチンピク度はゼロです。彼女の裸はサービスでなく、あくまでも。記号。限りなくプリミティブ。性的興奮を断固拒否!
どうやらこれは、作者の実生活から来ているようですが……

果たして、実際に室内を全裸で過ごしてる女性って、どれだけいるんでしょう? 本当に快適なんでしょか?

家での全裸は、本当に体にいいの? 悪いの?(R25.jp)

アタシは無理ですわ。やはり、オリモノと陰毛が気になってしゃーない。どこに付着するかわかりませんし、常に自分の裸体が視界に入るというのも、ちょっと……。
江古田ちゃんはプロポーションも陰部も美しいから大丈夫なんでしょう。羨ましいねぇ。しいて、やりたいとは思わんけどさ。
(酔っ払って強烈な尿意を催したときは便利らしいヨ!)


さて、容姿同様に生々しさが魅力の、当作品。

北海道から上京した彼女は、ホステス、ヌードモデル、暗黒舞踏、保険のテレオペ、フィリピンパブと、さまざまな職を漂流します。そんな職場での1コマが濃いいこと! 社会の荒波に揉まれた人間観察能も鋭く、抜群の風刺っぷりです。
ディープな世界も、ちゃんと4コマらしい落とし方をしてくれるので安心。のぞき見感覚で読めちゃいますね。

その優れた観察能力は、仕事外でも発揮されまくりです。
天然なドジっ娘を装いつつ、狙った獲物を逃さない女を〈猛禽〉と呼び、攻撃する様は爽快!
部屋でゴロゴロすることも〈アイドリング〉と命名。ネーミングセンスも光ってますな。

個人的に、メガネ男子好きのクールな友達、友人Mと、『大阪ハムレット』に出てきそうな容姿のお姉ちゃんが好きです。いいキャラだ。


――ところで、江古田ちゃんと瀧波ユカリは、まったくの同一人物と思っていいんですよね?

すべて実話としか思えん、脅威のドキュメンタリー性。み、みんなもそう思って読んでるよねぇ?
これはもう、モデルの粋を超えてるとしか……。

ほんとみたいに描いてあるじゃないかって? それが手法ってもんですよアナタ。

   ―――内田春菊『私たちは繁殖している』

エンターテインメントだということを忘れちゃいけないのはわかりますが、如何とも拭いきれないリアリティ。まるで、漫画に似せた日記を読まされているような感覚です。

良質のブログを思わしめる 瀧波ユカリ『臨死!!江古田ちゃん』(紙屋研究所)

4コマ漫画というのは、話によってキャラの視点が変わるのが一般ですが、この作品は延々と江古田ちゃんのターン! 江古田ちゃんから見た、江古田ちゃんのお話だけが繰り広げられています(1巻に1本づつ、友人M視点のお話もありますが)。
これが、本作を日記かブログにしか見えなくさせている、最大の原因。他のキャラの話が描けないというわけではなく、描く気が毛頭ないんでしょう。江古田ちゃんの主観だけで、物語は完成されてますから。

「…ブログに書こう… 思いっきり おもしろおかしく…」
それは 一人暮らしの心のよりどころ

(2巻95ページ)

この漫画が、そのブログってことでおk?
いや、面白ければ実話だろうがなんだろうがいいんだけどね。


しかし、心配なことがひとつあります。
それは、あまりにも捨てネタがなさすぎることです。

恐ろしいことに『臨死!!江古田ちゃん』は、1本残さず面白いんですよ。どれも濃厚で、うならされる話ばかり。
このクオリティのまま、何巻も続けられるとは、とても思えないんです。元ネタが実話なら、いつか枯渇するでしょうし。
良作だからこその危惧といいますか、処女作でもありますし、なんとも危うい位置に立っている作品だと思ってます。

まぁ、作者が漫画稼業のかたわら、いろんな職を転々とすればネタ切れしないか。オトコを替えて、どんどん修羅場に突入したりね。って、そういう問題なのか。


オトコ問題
これまた、江古田ちゃんを読む上で欠かせないエレメントのひとつ。

全裸の彼女ですが、マーくんという恋人がいます。
そんな彼には、江古田ちゃんとは別に、遠距離恋愛の恋人までチャッカリいたりして。はい、悲しきかなフタマタであります。

あんたが求めてるのは 愛がん犬か お母さんだもんね
(1巻18ページ)

ああもう ここまでくると 恋じゃなくって ただの意地
(1巻68ページ)

力をぬいて じっとしてれば こんなん痛くないさ
(1巻98ページ)

問題なのは相手の出方次第で止まる程度の涙であるということだ
(1巻118ページ)

一度でも浮気男と付き合ったことのある女性には、耳が痛いモノローグの数々。
彼女自身も、埋められない隙間を埋めるためか、多くの男と褥を共にしちゃいます。けれど、けっしてハッピーになれない江古田ちゃん。今宵も抱き枕代わりに男を股にはさんでいるのかい。


連載は、ほぼ毎回「眠る男の横で思い巡らせる江古田ちゃんの図」で締められます。そこは、ひとり反省会会場。夜毎の結果報告。最後のアイドリング。
これが、笑わせるだけではない『江古田ちゃん』の核となり、話も締めれば読者の心もキュッと締めるワケです。

ええ、男が射精後の睡魔でぐっすり眠っている頃、女は暗闇に目を見開き、真実と向き合っているのですよ。ふにゃチンで寝てる場合じゃねぇ。ヤった後も、しっかり抱きしめてろってぇハナシだ。とりあえずは。

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