第1回 友情・努力・勝利の『DEATH NOTE』
きなこ餅コミック1ツ目の作品は『DEATH NOTE』でした。語り尽くされた作品ですが、もちもちっとダベります。

言わずもがなの近年稀な大大大ヒット作。先日、データブックである最終巻が出たところですね。煩悩の数にちなんだ全108話、死神のナンバーである全13巻からなる、徹底的に眉目秀麗な作品となりました。計算しすぎです。計画通り。
『DEATH NOTE』といえば、やはり1部の月とLが繰り広げる策略の応酬が見物でした。
これまでの少年ジャンプといえば「友情・努力・勝利」です。そのジャンプにおいて、綺羅星の如く現れた「殺人鬼キラ」。それが主人公ですから、最終的に勝利するなんて安心はできません。読めない勝敗の行方に読者の心はガッツリ鷲づかみ。冷酷残忍なトリックと予期せぬトンデモ展開にスピード感で人気は爆発でした。
毎週がクライマックス!な引きが爽快。快感すら覚える論理展開と行動。いやぁ、楽しませてもらいましたよ。
それを踏まえた上で、尚言いたい事といえば……「それでも友情が見たかったー!!」
……ごめんなさい。Lが死ぬ瞬間まで、アタシはてっきり月とLに友情が芽生える話になると思っておりました。考えられないことですね。鼻で笑っちゃいますよね。いや、ちょっと待ってください。思わせぶりな描写はいっぱいあったじゃないですか!
「おまえが僕に友情を求めてくるなら快く受け入れてやろう」(3巻65頁)
Lのファーストコンタクトを受け、はじめは強気の姿勢を見せていた月。超高慢でした。
絶えず互いを疑い、貶め合うふたり。その中でLの口から以外なセリフが出ます。
「月くんは――私の初めての友達ですから」(4巻132頁)
そりゃ本心ではないでしょう。思いつきの懐柔作戦ってなもんでしょう。なのに、このときの月の目の輝きと言ったら!
あれは絶対、素で感動してたはずですよ。感動までとは言わないでも衝撃が走ったはず。
憎からず思っている人間から思わぬ好意的な言葉。普通はイチコロです。ジゴロの手口ですよ。
ふたりにはライバルとしての闘志だけでない、相手を認めざるを得ない気持ちが生まれていたでしょう。やっと、同等に渡り合い自分を夢中にさせる者が現れたんです。そりゃもうハートは複雑。ドキドキですよ。
「俺は「友達」とか言い合ってたから殺すのに躊躇しだしたのかと思ってたぜ…」(4巻145頁)
というリュークの指摘に対し
「友達?… 話を合わせただけだ 最初から「友情を求めてくるなら受け入れてやろう」と言っていたはずだ 流河は夜神月のうわべの友達 Lはキラの敵だよ」(4巻145頁)
と月が言ったコマは後頭部のみの描写で表情が読み取れないものでした。あれは自分でも理解不能な本心を知られまいとしている表現ではなかったのか!?
微妙に感じるツンデレ臭。月の心に変化が! ますます盛り上がってきたぜー。と、ひとり興奮したもんです。
拍車をかけるように、黒月と交代で白月が登場。ノート放棄で月がガラリとイイ子ちゃんになりました。
さらに、手錠でつながれるわ、殴り合うわ。
あとは夕陽に染まる河原で「おまえ、なかなかやるな」で決まりじゃないですか。それ以外にありえないですよ。
しかし、そうトントン拍子で仲が進んでは面白くありません。それではそこいらの少年漫画と一緒です。ふたりの性格を裏切らないまま友情を成立させる方法、第三者の働きが必要です。
なわけでミサ投入。
「ライトの友達は皆ミサの友達 仲良くやりましょう」(6巻145頁)
はい、GJ。フラグはすべて成立しました。これで友情劇が生まれないはずがない。完璧なお膳立てですよ!

――トラブルメーカーのミサを中心とした3人のドタバタ推理劇。3人を巡る感情の変化、ほのかな想い、白月と黒月の葛藤――
……さまざまな展開を予感し、ワクテカで待っていました。想像と期待はふくらみまくりです。
が……夢はもろくも崩れたのです。
L、あっさり死亡。
「計画通り」でさらに極悪に舞い戻った黒月に、あっちゅー間に殺されちゃいました。
ネットに飛び交う「L生存説」にアタシもすがりました。が、それも儚く散りました。見事に死にっぱなしです。ありがとうございます。
いや、わかってますよ。
実際にそんな友情劇やL蘇生展開があったら大ブーイングだったでしょう。
かつてないドライな性格、人間ドラマを排したスピーディな展開で大傑作になったんです。
月もLもミサも、欲望に忠実で血も涙もないところが魅力でした。「神になる」「キラを捕まえる」「月に愛される」そのために他人の命を簡単に奪ってきた(或いは奪おうとしてきた)3人。少年漫画らしい友情など芽生えるはずがありません。
『DEATH NOTE』という異例な作品で、誰が平凡な青春漫画など見たいのか。そんな世迷言を言ってるのはおまえだけだよ! おい!
ダサいのは重々承知です。ダメ路線なのもわかってます。それでも望んでしまうのは、かつての「少年ジャンプ」という大きな存在の影……。
友のために強くなっていった『DRAGON BALL』の悟空、愛のために戦い、強敵を「とも」と呼んだ『北斗の拳』ケンシロウ、その他数多の熱く燃えていたヒーロー達……。
改めて気づかされる、彼らの偉大さ! 圧倒的存在感!
彼らこそが少年漫画であり青春でした。その土台はどうしたって崩れません。色あせないのです。
……『DEATH NOTE』は新しい魅力を与えてくました。またその半面、心に刻まれていた「友情・努力・勝利」を呼び起こしてくれちゃいました。
とっくに卒業してると思ってたのに、不思議だなぁ。
やっぱり、ドライだけじゃダメ。熱いドラマが必要なんですよ。人間には!
……そんなわけで、『DEATH NOTE』は傑作だとわかりながら、妙な未練でスッキリできないのが本音でした。
1部が終わり2部が終わり、完全に物語は終結したと云うのに、アタシの魂はまだ、成し得なかった月とLの友情物語を求め、死神界をさまよっているようです。それが書かれているのはデスノートでなく、ドリムノートなんでしょうけどね。チェイング!

言わずもがなの近年稀な大大大ヒット作。先日、データブックである最終巻が出たところですね。煩悩の数にちなんだ全108話、死神のナンバーである全13巻からなる、徹底的に眉目秀麗な作品となりました。計算しすぎです。計画通り。
『DEATH NOTE』といえば、やはり1部の月とLが繰り広げる策略の応酬が見物でした。
これまでの少年ジャンプといえば「友情・努力・勝利」です。そのジャンプにおいて、綺羅星の如く現れた「殺人鬼キラ」。それが主人公ですから、最終的に勝利するなんて安心はできません。読めない勝敗の行方に読者の心はガッツリ鷲づかみ。冷酷残忍なトリックと予期せぬトンデモ展開にスピード感で人気は爆発でした。
毎週がクライマックス!な引きが爽快。快感すら覚える論理展開と行動。いやぁ、楽しませてもらいましたよ。
それを踏まえた上で、尚言いたい事といえば……「それでも友情が見たかったー!!」
……ごめんなさい。Lが死ぬ瞬間まで、アタシはてっきり月とLに友情が芽生える話になると思っておりました。考えられないことですね。鼻で笑っちゃいますよね。いや、ちょっと待ってください。思わせぶりな描写はいっぱいあったじゃないですか!
「おまえが僕に友情を求めてくるなら快く受け入れてやろう」(3巻65頁)
Lのファーストコンタクトを受け、はじめは強気の姿勢を見せていた月。超高慢でした。
絶えず互いを疑い、貶め合うふたり。その中でLの口から以外なセリフが出ます。
「月くんは――私の初めての友達ですから」(4巻132頁)
そりゃ本心ではないでしょう。思いつきの懐柔作戦ってなもんでしょう。なのに、このときの月の目の輝きと言ったら!
あれは絶対、素で感動してたはずですよ。感動までとは言わないでも衝撃が走ったはず。
憎からず思っている人間から思わぬ好意的な言葉。普通はイチコロです。ジゴロの手口ですよ。
ふたりにはライバルとしての闘志だけでない、相手を認めざるを得ない気持ちが生まれていたでしょう。やっと、同等に渡り合い自分を夢中にさせる者が現れたんです。そりゃもうハートは複雑。ドキドキですよ。
「俺は「友達」とか言い合ってたから殺すのに躊躇しだしたのかと思ってたぜ…」(4巻145頁)
というリュークの指摘に対し
「友達?… 話を合わせただけだ 最初から「友情を求めてくるなら受け入れてやろう」と言っていたはずだ 流河は夜神月のうわべの友達 Lはキラの敵だよ」(4巻145頁)
と月が言ったコマは後頭部のみの描写で表情が読み取れないものでした。あれは自分でも理解不能な本心を知られまいとしている表現ではなかったのか!?
微妙に感じるツンデレ臭。月の心に変化が! ますます盛り上がってきたぜー。と、ひとり興奮したもんです。
拍車をかけるように、黒月と交代で白月が登場。ノート放棄で月がガラリとイイ子ちゃんになりました。
さらに、手錠でつながれるわ、殴り合うわ。
あとは夕陽に染まる河原で「おまえ、なかなかやるな」で決まりじゃないですか。それ以外にありえないですよ。
しかし、そうトントン拍子で仲が進んでは面白くありません。それではそこいらの少年漫画と一緒です。ふたりの性格を裏切らないまま友情を成立させる方法、第三者の働きが必要です。
なわけでミサ投入。
「ライトの友達は皆ミサの友達 仲良くやりましょう」(6巻145頁)
はい、GJ。フラグはすべて成立しました。これで友情劇が生まれないはずがない。完璧なお膳立てですよ!

――トラブルメーカーのミサを中心とした3人のドタバタ推理劇。3人を巡る感情の変化、ほのかな想い、白月と黒月の葛藤――
……さまざまな展開を予感し、ワクテカで待っていました。想像と期待はふくらみまくりです。
が……夢はもろくも崩れたのです。
L、あっさり死亡。
「計画通り」でさらに極悪に舞い戻った黒月に、あっちゅー間に殺されちゃいました。
ネットに飛び交う「L生存説」にアタシもすがりました。が、それも儚く散りました。見事に死にっぱなしです。ありがとうございます。
いや、わかってますよ。
実際にそんな友情劇やL蘇生展開があったら大ブーイングだったでしょう。
かつてないドライな性格、人間ドラマを排したスピーディな展開で大傑作になったんです。
月もLもミサも、欲望に忠実で血も涙もないところが魅力でした。「神になる」「キラを捕まえる」「月に愛される」そのために他人の命を簡単に奪ってきた(或いは奪おうとしてきた)3人。少年漫画らしい友情など芽生えるはずがありません。
『DEATH NOTE』という異例な作品で、誰が平凡な青春漫画など見たいのか。そんな世迷言を言ってるのはおまえだけだよ! おい!
ダサいのは重々承知です。ダメ路線なのもわかってます。それでも望んでしまうのは、かつての「少年ジャンプ」という大きな存在の影……。
友のために強くなっていった『DRAGON BALL』の悟空、愛のために戦い、強敵を「とも」と呼んだ『北斗の拳』ケンシロウ、その他数多の熱く燃えていたヒーロー達……。
改めて気づかされる、彼らの偉大さ! 圧倒的存在感!
彼らこそが少年漫画であり青春でした。その土台はどうしたって崩れません。色あせないのです。
……『DEATH NOTE』は新しい魅力を与えてくました。またその半面、心に刻まれていた「友情・努力・勝利」を呼び起こしてくれちゃいました。
とっくに卒業してると思ってたのに、不思議だなぁ。
やっぱり、ドライだけじゃダメ。熱いドラマが必要なんですよ。人間には!
……そんなわけで、『DEATH NOTE』は傑作だとわかりながら、妙な未練でスッキリできないのが本音でした。
1部が終わり2部が終わり、完全に物語は終結したと云うのに、アタシの魂はまだ、成し得なかった月とLの友情物語を求め、死神界をさまよっているようです。それが書かれているのはデスノートでなく、ドリムノートなんでしょうけどね。チェイング!
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