第17回 こどものじかんのこども『少年三白眼』
アニメ化の話も出て、巷で凄まじいロリ扇風を巻き起こしておりますね、『こどものじかん』。
小3の九重りんの一挙一動に、お兄さん方は狂喜乱舞。情けないほどにメロンメロンです。ゆるやかに狂ってきてますわ、この世は。
今回はそのトキの人、『こじか』作者の私屋カヲルが産んだこども漫画を取り上げます。おっと、淫らな想像は禁物。こちらはロリにあらず、エロにあらず。
主人公は少年で、三白眼。『少年三白眼』のレビューでございます。レッツ、イヌッパナ!

1991年〜1993年に「別冊少女コミック」にて連載されていた少女漫画です。というか、ギャグ漫画。
岡田あーみんによって、偉大なる少女ギャグ漫画の洗礼を受けた当時のアタシ達は、あーみん後の不毛なギャグ界に不満を持っていました。彼女以外に、少女誌で笑わせてくれる人なんていやしない。それもそうね、だってあれは奇跡だったのだから……。
そう諦めかけていたときに颯爽と現れたのが、白目がちな瞳。
やられました。それはそれはキレーにハマりました。友達の間で即ブーム。3人集まって「河」の字に寝たりしました。できるかッ。
『お父さんは心配症』と違い、『少年三白眼』は絵が汚くなかった。
といって、瞳が顔面の半分以上を占めるコテコテ少女漫画絵でもなかった。さわやかなタッチで生み出される自然体なギャグが、その頃の女子中学生には新鮮でカッコよかったのです。これまで歴然とあった「ストーリー漫画の絵」「ギャグ漫画の絵」の垣根が崩れてきた時代でしたね。
舞台は鳩胸中学校。主人公は男子中学生の阿久津ヒロム。親しみやすい世界観に、「三白眼」という聞きなれない言葉。好奇心旺盛な思春期は気になるじゃないですか。
(しかし、三白眼がコンプレックスというだけで、よく3巻も続けられたなと思いますよ。
なんせ、漫画のキャラなんてほとんどが三白眼。それで悩むなら『名探偵コナン』はみんな劣等感のかたまりだっつーの、バーロー。事件解決どころじゃねぇって)
初期は目にまつわるギャグのオンパレードですが、それだけには留まりません。
大爆笑にはならないけれど、妙に心をくすぐり記憶に残るコマがあります。

これ、流行った。
他には、学校でウンコしてるとこを見られた不良が和式便器に片足を突っ込み、「わあい 巨大なスリッパだぞう!」とごまかす場面が、お気に入り。漫画好き女子中学生は、この微妙なセンスにときめいておったのです。
きわめつけはアレだ。この作品を語る上で欠かせない存在。
ビタワン。
日本ペットフード社から直々に許可を得て繰り広げられた、めくるめくビタワンギャグが楽しいのなんのって!
そのレパートリーを挙げますと、まずは会社の顔であるビタワンくんを袋から切り抜き、お面にして「ビタワン仮面」。影をつけて「ニヒルなビタワン」、血管を書いて「怒りのビタワン」、はちまきをつけて「職人ビタワン」、頭にバーコード書いて「バーコード・ビタワン」。
何ソレ、たまんないじゃんっ。こういうお遊び大好きじゃんっ。
ビタワンという古式ゆかしいキャラクターを選んだ着眼点に万歳。本社公認という太っ腹さに敬礼! いやー、痺れました、憧れました。

このシュールさに。
まぁ、シュールなんてさっぱりわからない子供でしたけど。空間がねじれる瞬間を見た! という感動だったのかな、あれは。
このように、少女ギャグ漫画のセカンド・インパクトを見せてくれたのが、私屋カヲル先生。
が、その後は『三白眼』程インパクトの強い作品は生まれず、次第に手に取ることも、友達との話題に上がることもなくなっていきました。
数年後、やたらアニメ絵に変貌を遂げて存命されているのを雑誌の表紙などで目撃。
「もう、あの頃のカヲル先生じゃないんだな……」と、しんみりしちゃったり。時代が変われば、人も変わる。漫画家の方向路線も変わる。世知辛い事情がうっすら見えて、読者だった少女も少女ではなくなっているのでした……。
が、まさかその路線でヒットを飛ばしちゃうとはねぇ……。
完璧に予想外。当時の別コミ読者はみんなビックリしてますよ。『こじか』の出現に。
ぶっちゃけ、はじめは子供向け漫画を描いていた作家が、人気がなくなり大人向けに移行する例はいくつかありますよ。たかすぃさんの記事「ジャンプ作家がエロ漫画・・・儚いね、イケてるね!」でもそのひとりについて書かれています。
でも、ここまでヒットした例は知らねぇぜ。あるのか? 少なくともアタシは見たことないぞ。
これは読者に夢を与えたというより、最盛期を過ぎた漫画家に夢を与えたサプライズだったのではないでしょうか。枯れた花でも再び咲かせることができるんだ! ジャンルが変われど漫画は漫画さ! 今再び、印税生活を!
まぁ、カヲル先生にとっては路線変更ではなく、ただ作品の幅を広げただけなんでしょうね。
ロリエロで注目を浴びている『こどものじかん』も、根はしっかり教育漫画してますし、他誌ではネコ漫画の『ちびとぼく』を連載中と、枠にとらわれないご活躍です。
類稀なるバイタリティと柔軟性。恐れ入るばかりだわ。
そんなカヲル先生の原点ともいえる、『少年三白眼』。未読のカヲルファンは是非、その眼力を浴びてみてください。同じ作者が描いてるとはとても思えませんから。
ほんと、絵から線からジャンルから違いすぎ。唯一の共通点といえば、全体に漂う〈軽さ〉かなぁ。どちらも、肩に力を入れずリラックスして描かれているのが感じられます。
ついでに『こどものじかん』の参考レビューもご案内。
これはとても良い萌エロですね・・・今年最後の衝撃作「こどものじかん」(マンガがあればいーのだ。)
「こどものじかん3巻」から「教師の時間」を考えてみる。(たまごまごごはん)
……あゝ、もっぺん見たいなぁ、ビタワン仮面。『こじか』で出てこないかなぁ。あのやたらツヤのあるクマーがビタワンだったら、かつての読者はうれしいんだけどねー。
小3の九重りんの一挙一動に、お兄さん方は狂喜乱舞。情けないほどにメロンメロンです。ゆるやかに狂ってきてますわ、この世は。
今回はそのトキの人、『こじか』作者の私屋カヲルが産んだこども漫画を取り上げます。おっと、淫らな想像は禁物。こちらはロリにあらず、エロにあらず。
主人公は少年で、三白眼。『少年三白眼』のレビューでございます。レッツ、イヌッパナ!

1991年〜1993年に「別冊少女コミック」にて連載されていた少女漫画です。というか、ギャグ漫画。
岡田あーみんによって、偉大なる少女ギャグ漫画の洗礼を受けた当時のアタシ達は、あーみん後の不毛なギャグ界に不満を持っていました。彼女以外に、少女誌で笑わせてくれる人なんていやしない。それもそうね、だってあれは奇跡だったのだから……。
そう諦めかけていたときに颯爽と現れたのが、白目がちな瞳。
やられました。それはそれはキレーにハマりました。友達の間で即ブーム。3人集まって「河」の字に寝たりしました。できるかッ。
『お父さんは心配症』と違い、『少年三白眼』は絵が汚くなかった。
といって、瞳が顔面の半分以上を占めるコテコテ少女漫画絵でもなかった。さわやかなタッチで生み出される自然体なギャグが、その頃の女子中学生には新鮮でカッコよかったのです。これまで歴然とあった「ストーリー漫画の絵」「ギャグ漫画の絵」の垣根が崩れてきた時代でしたね。
舞台は鳩胸中学校。主人公は男子中学生の阿久津ヒロム。親しみやすい世界観に、「三白眼」という聞きなれない言葉。好奇心旺盛な思春期は気になるじゃないですか。
(しかし、三白眼がコンプレックスというだけで、よく3巻も続けられたなと思いますよ。
なんせ、漫画のキャラなんてほとんどが三白眼。それで悩むなら『名探偵コナン』はみんな劣等感のかたまりだっつーの、バーロー。事件解決どころじゃねぇって)
初期は目にまつわるギャグのオンパレードですが、それだけには留まりません。
大爆笑にはならないけれど、妙に心をくすぐり記憶に残るコマがあります。

これ、流行った。
他には、学校でウンコしてるとこを見られた不良が和式便器に片足を突っ込み、「わあい 巨大なスリッパだぞう!」とごまかす場面が、お気に入り。漫画好き女子中学生は、この微妙なセンスにときめいておったのです。
きわめつけはアレだ。この作品を語る上で欠かせない存在。
ビタワン。
日本ペットフード社から直々に許可を得て繰り広げられた、めくるめくビタワンギャグが楽しいのなんのって!
そのレパートリーを挙げますと、まずは会社の顔であるビタワンくんを袋から切り抜き、お面にして「ビタワン仮面」。影をつけて「ニヒルなビタワン」、血管を書いて「怒りのビタワン」、はちまきをつけて「職人ビタワン」、頭にバーコード書いて「バーコード・ビタワン」。
何ソレ、たまんないじゃんっ。こういうお遊び大好きじゃんっ。
ビタワンという古式ゆかしいキャラクターを選んだ着眼点に万歳。本社公認という太っ腹さに敬礼! いやー、痺れました、憧れました。

このシュールさに。
まぁ、シュールなんてさっぱりわからない子供でしたけど。空間がねじれる瞬間を見た! という感動だったのかな、あれは。
このように、少女ギャグ漫画のセカンド・インパクトを見せてくれたのが、私屋カヲル先生。
が、その後は『三白眼』程インパクトの強い作品は生まれず、次第に手に取ることも、友達との話題に上がることもなくなっていきました。
数年後、やたらアニメ絵に変貌を遂げて存命されているのを雑誌の表紙などで目撃。
「もう、あの頃のカヲル先生じゃないんだな……」と、しんみりしちゃったり。時代が変われば、人も変わる。漫画家の方向路線も変わる。世知辛い事情がうっすら見えて、読者だった少女も少女ではなくなっているのでした……。
が、まさかその路線でヒットを飛ばしちゃうとはねぇ……。
完璧に予想外。当時の別コミ読者はみんなビックリしてますよ。『こじか』の出現に。
ぶっちゃけ、はじめは子供向け漫画を描いていた作家が、人気がなくなり大人向けに移行する例はいくつかありますよ。たかすぃさんの記事「ジャンプ作家がエロ漫画・・・儚いね、イケてるね!」でもそのひとりについて書かれています。
でも、ここまでヒットした例は知らねぇぜ。あるのか? 少なくともアタシは見たことないぞ。
これは読者に夢を与えたというより、最盛期を過ぎた漫画家に夢を与えたサプライズだったのではないでしょうか。枯れた花でも再び咲かせることができるんだ! ジャンルが変われど漫画は漫画さ! 今再び、印税生活を!
まぁ、カヲル先生にとっては路線変更ではなく、ただ作品の幅を広げただけなんでしょうね。
ロリエロで注目を浴びている『こどものじかん』も、根はしっかり教育漫画してますし、他誌ではネコ漫画の『ちびとぼく』を連載中と、枠にとらわれないご活躍です。
類稀なるバイタリティと柔軟性。恐れ入るばかりだわ。
そんなカヲル先生の原点ともいえる、『少年三白眼』。未読のカヲルファンは是非、その眼力を浴びてみてください。同じ作者が描いてるとはとても思えませんから。
ほんと、絵から線からジャンルから違いすぎ。唯一の共通点といえば、全体に漂う〈軽さ〉かなぁ。どちらも、肩に力を入れずリラックスして描かれているのが感じられます。
ついでに『こどものじかん』の参考レビューもご案内。
これはとても良い萌エロですね・・・今年最後の衝撃作「こどものじかん」(マンガがあればいーのだ。)
「こどものじかん3巻」から「教師の時間」を考えてみる。(たまごまごごはん)
……あゝ、もっぺん見たいなぁ、ビタワン仮面。『こじか』で出てこないかなぁ。あのやたらツヤのあるクマーがビタワンだったら、かつての読者はうれしいんだけどねー。
コメント
この記事へのコメント
うまい棒
> みかん餅さん
ありがとうございます〜。
そうなんですよね。プロで描かれているのに、応募するというところがカヲル先生のユニークなところ。そんなチャレンジ精神は本当に見習わないとなと思います。
日本橋でMAP発見されましたら是非! めちゃうれしいですっ。
そうなんですよね。プロで描かれているのに、応募するというところがカヲル先生のユニークなところ。そんなチャレンジ精神は本当に見習わないとなと思います。
日本橋でMAP発見されましたら是非! めちゃうれしいですっ。
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カヲルさん作品のギャグで「ザ・ブラジル娘」が好きです 今回紹介の作品でなくてすみません
「ちびボク」ではちょうど4コマ誌をよく読んでる時で
新人賞に応募してて びっくりしたのを覚えてます
カヲルさんコッコさんは 元夫が好きで読むようになったんですわぁ(笑)
日本橋には週イチくらいで遊びに行くので イラスト描かれた冊子手に入れようと思ってます