第22回 ガラスの靴はここに置いてます!『臨死!!江古田ちゃん』
2回に渡り、チョイ古な4コマ漫画を紹介してきましたが、ようやっと現代へ。今回のレビューは『臨死!!江古田ちゃん』です。
「アフタヌーン」で連載中の、瀧波ユカリの4コマ漫画&四季賞受賞作です。現在2巻まで絶賛発売中。他誌に出張掲載されたり、サイン会をやったりと、編集部も大プッシュの様子です。

主人公は、部屋で全裸生活を満喫中の江古田ちゃん。24歳、独身。
1話2コマ目でいきなり「オリモノ」という単語が出てくるあたりが、この作品を語っているというかなんというか。アタシはガッツリとハートをつかまれてしまいました。少年誌でふつー見ないよね、そんなデリケートな分泌液名。
アフタヌーンを「毎月乳首が載る雑誌」に変貌させた江古田ちゃんですが、残念ながらチンピク度はゼロです。彼女の裸はサービスでなく、あくまでも素。記号。限りなくプリミティブ。性的興奮を断固拒否!
どうやらこれは、作者の実生活から来ているようですが……
果たして、実際に室内を全裸で過ごしてる女性って、どれだけいるんでしょう? 本当に快適なんでしょか?
家での全裸は、本当に体にいいの? 悪いの?(R25.jp)
アタシは無理ですわ。やはり、オリモノと陰毛が気になってしゃーない。どこに付着するかわかりませんし、常に自分の裸体が視界に入るというのも、ちょっと……。
江古田ちゃんはプロポーションも陰部も美しいから大丈夫なんでしょう。羨ましいねぇ。しいて、やりたいとは思わんけどさ。
(酔っ払って強烈な尿意を催したときは便利らしいヨ!)
さて、容姿同様に生々しさが魅力の、当作品。
北海道から上京した彼女は、ホステス、ヌードモデル、暗黒舞踏、保険のテレオペ、フィリピンパブと、さまざまな職を漂流します。そんな職場での1コマが濃いいこと! 社会の荒波に揉まれた人間観察能も鋭く、抜群の風刺っぷりです。
ディープな世界も、ちゃんと4コマらしい落とし方をしてくれるので安心。のぞき見感覚で読めちゃいますね。
その優れた観察能力は、仕事外でも発揮されまくりです。
天然なドジっ娘を装いつつ、狙った獲物を逃さない女を〈猛禽〉と呼び、攻撃する様は爽快!
部屋でゴロゴロすることも〈アイドリング〉と命名。ネーミングセンスも光ってますな。
個人的に、メガネ男子好きのクールな友達、友人Mと、『大阪ハムレット』に出てきそうな容姿のお姉ちゃんが好きです。いいキャラだ。
――ところで、江古田ちゃんと瀧波ユカリは、まったくの同一人物と思っていいんですよね?
すべて実話としか思えん、脅威のドキュメンタリー性。み、みんなもそう思って読んでるよねぇ?
これはもう、モデルの粋を超えてるとしか……。
エンターテインメントだということを忘れちゃいけないのはわかりますが、如何とも拭いきれないリアリティ。まるで、漫画に似せた日記を読まされているような感覚です。
良質のブログを思わしめる 瀧波ユカリ『臨死!!江古田ちゃん』(紙屋研究所)
4コマ漫画というのは、話によってキャラの視点が変わるのが一般ですが、この作品は延々と江古田ちゃんのターン! 江古田ちゃんから見た、江古田ちゃんのお話だけが繰り広げられています(1巻に1本づつ、友人M視点のお話もありますが)。
これが、本作を日記かブログにしか見えなくさせている、最大の原因。他のキャラの話が描けないというわけではなく、描く気が毛頭ないんでしょう。江古田ちゃんの主観だけで、物語は完成されてますから。
この漫画が、そのブログってことでおk?
いや、面白ければ実話だろうがなんだろうがいいんだけどね。
しかし、心配なことがひとつあります。
それは、あまりにも捨てネタがなさすぎることです。
恐ろしいことに『臨死!!江古田ちゃん』は、1本残さず面白いんですよ。どれも濃厚で、うならされる話ばかり。
このクオリティのまま、何巻も続けられるとは、とても思えないんです。元ネタが実話なら、いつか枯渇するでしょうし。
良作だからこその危惧といいますか、処女作でもありますし、なんとも危うい位置に立っている作品だと思ってます。
まぁ、作者が漫画稼業のかたわら、いろんな職を転々とすればネタ切れしないか。オトコを替えて、どんどん修羅場に突入したりね。って、そういう問題なのか。
オトコ問題。
これまた、江古田ちゃんを読む上で欠かせないエレメントのひとつ。
全裸の彼女ですが、マーくんという恋人がいます。
そんな彼には、江古田ちゃんとは別に、遠距離恋愛の恋人までチャッカリいたりして。はい、悲しきかなフタマタであります。
一度でも浮気男と付き合ったことのある女性には、耳が痛いモノローグの数々。
彼女自身も、埋められない隙間を埋めるためか、多くの男と褥を共にしちゃいます。けれど、けっしてハッピーになれない江古田ちゃん。今宵も抱き枕代わりに男を股にはさんでいるのかい。

連載は、ほぼ毎回「眠る男の横で思い巡らせる江古田ちゃんの図」で締められます。そこは、ひとり反省会会場。夜毎の結果報告。最後のアイドリング。
これが、笑わせるだけではない『江古田ちゃん』の核となり、話も締めれば読者の心もキュッと締めるワケです。
ええ、男が射精後の睡魔でぐっすり眠っている頃、女は暗闇に目を見開き、真実と向き合っているのですよ。ふにゃチンで寝てる場合じゃねぇ。ヤった後も、しっかり抱きしめてろってぇハナシだ。とりあえずは。
「アフタヌーン」で連載中の、瀧波ユカリの4コマ漫画&四季賞受賞作です。現在2巻まで絶賛発売中。他誌に出張掲載されたり、サイン会をやったりと、編集部も大プッシュの様子です。

主人公は、部屋で全裸生活を満喫中の江古田ちゃん。24歳、独身。
1話2コマ目でいきなり「オリモノ」という単語が出てくるあたりが、この作品を語っているというかなんというか。アタシはガッツリとハートをつかまれてしまいました。少年誌でふつー見ないよね、そんなデリケートな分泌液名。
アフタヌーンを「毎月乳首が載る雑誌」に変貌させた江古田ちゃんですが、残念ながらチンピク度はゼロです。彼女の裸はサービスでなく、あくまでも素。記号。限りなくプリミティブ。性的興奮を断固拒否!
どうやらこれは、作者の実生活から来ているようですが……
果たして、実際に室内を全裸で過ごしてる女性って、どれだけいるんでしょう? 本当に快適なんでしょか?
家での全裸は、本当に体にいいの? 悪いの?(R25.jp)
アタシは無理ですわ。やはり、オリモノと陰毛が気になってしゃーない。どこに付着するかわかりませんし、常に自分の裸体が視界に入るというのも、ちょっと……。
江古田ちゃんはプロポーションも陰部も美しいから大丈夫なんでしょう。羨ましいねぇ。しいて、やりたいとは思わんけどさ。
(酔っ払って強烈な尿意を催したときは便利らしいヨ!)
さて、容姿同様に生々しさが魅力の、当作品。
北海道から上京した彼女は、ホステス、ヌードモデル、暗黒舞踏、保険のテレオペ、フィリピンパブと、さまざまな職を漂流します。そんな職場での1コマが濃いいこと! 社会の荒波に揉まれた人間観察能も鋭く、抜群の風刺っぷりです。
ディープな世界も、ちゃんと4コマらしい落とし方をしてくれるので安心。のぞき見感覚で読めちゃいますね。
その優れた観察能力は、仕事外でも発揮されまくりです。
天然なドジっ娘を装いつつ、狙った獲物を逃さない女を〈猛禽〉と呼び、攻撃する様は爽快!
部屋でゴロゴロすることも〈アイドリング〉と命名。ネーミングセンスも光ってますな。
個人的に、メガネ男子好きのクールな友達、友人Mと、『大阪ハムレット』に出てきそうな容姿のお姉ちゃんが好きです。いいキャラだ。
――ところで、江古田ちゃんと瀧波ユカリは、まったくの同一人物と思っていいんですよね?
すべて実話としか思えん、脅威のドキュメンタリー性。み、みんなもそう思って読んでるよねぇ?
これはもう、モデルの粋を超えてるとしか……。
ほんとみたいに描いてあるじゃないかって? それが手法ってもんですよアナタ。
―――内田春菊『私たちは繁殖している』
エンターテインメントだということを忘れちゃいけないのはわかりますが、如何とも拭いきれないリアリティ。まるで、漫画に似せた日記を読まされているような感覚です。
良質のブログを思わしめる 瀧波ユカリ『臨死!!江古田ちゃん』(紙屋研究所)
4コマ漫画というのは、話によってキャラの視点が変わるのが一般ですが、この作品は延々と江古田ちゃんのターン! 江古田ちゃんから見た、江古田ちゃんのお話だけが繰り広げられています(1巻に1本づつ、友人M視点のお話もありますが)。
これが、本作を日記かブログにしか見えなくさせている、最大の原因。他のキャラの話が描けないというわけではなく、描く気が毛頭ないんでしょう。江古田ちゃんの主観だけで、物語は完成されてますから。
「…ブログに書こう… 思いっきり おもしろおかしく…」
それは 一人暮らしの心のよりどころ
(2巻95ページ)
この漫画が、そのブログってことでおk?
いや、面白ければ実話だろうがなんだろうがいいんだけどね。
しかし、心配なことがひとつあります。
それは、あまりにも捨てネタがなさすぎることです。
恐ろしいことに『臨死!!江古田ちゃん』は、1本残さず面白いんですよ。どれも濃厚で、うならされる話ばかり。
このクオリティのまま、何巻も続けられるとは、とても思えないんです。元ネタが実話なら、いつか枯渇するでしょうし。
良作だからこその危惧といいますか、処女作でもありますし、なんとも危うい位置に立っている作品だと思ってます。
まぁ、作者が漫画稼業のかたわら、いろんな職を転々とすればネタ切れしないか。オトコを替えて、どんどん修羅場に突入したりね。って、そういう問題なのか。
オトコ問題。
これまた、江古田ちゃんを読む上で欠かせないエレメントのひとつ。
全裸の彼女ですが、マーくんという恋人がいます。
そんな彼には、江古田ちゃんとは別に、遠距離恋愛の恋人までチャッカリいたりして。はい、悲しきかなフタマタであります。
あんたが求めてるのは 愛がん犬か お母さんだもんね
(1巻18ページ)
ああもう ここまでくると 恋じゃなくって ただの意地
(1巻68ページ)
力をぬいて じっとしてれば こんなん痛くないさ
(1巻98ページ)
問題なのは相手の出方次第で止まる程度の涙であるということだ
(1巻118ページ)
一度でも浮気男と付き合ったことのある女性には、耳が痛いモノローグの数々。
彼女自身も、埋められない隙間を埋めるためか、多くの男と褥を共にしちゃいます。けれど、けっしてハッピーになれない江古田ちゃん。今宵も抱き枕代わりに男を股にはさんでいるのかい。

連載は、ほぼ毎回「眠る男の横で思い巡らせる江古田ちゃんの図」で締められます。そこは、ひとり反省会会場。夜毎の結果報告。最後のアイドリング。
これが、笑わせるだけではない『江古田ちゃん』の核となり、話も締めれば読者の心もキュッと締めるワケです。
ええ、男が射精後の睡魔でぐっすり眠っている頃、女は暗闇に目を見開き、真実と向き合っているのですよ。ふにゃチンで寝てる場合じゃねぇ。ヤった後も、しっかり抱きしめてろってぇハナシだ。とりあえずは。
コメント
この記事へのコメント
> みかん餅さん
サックリ削除しちゃいました、広告〜。
男友達から薦められるというのも、なんだか不思議な気分ですね。
こんな生々しい女の人生禄、果たして男性ファンと女性ファンのどちらが多いのか。またもや気になってしまったり。
なるほど、次は辛酸なめ子か! それもまたリアルな予想図だ。
男友達から薦められるというのも、なんだか不思議な気分ですね。
こんな生々しい女の人生禄、果たして男性ファンと女性ファンのどちらが多いのか。またもや気になってしまったり。
なるほど、次は辛酸なめ子か! それもまたリアルな予想図だ。
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江古田ちゃん 立ち読みや喫茶店の本とかで読んでます 面白いです
友人(30代男性)がはまりにハマってて薦められてが最初でした
次の作品っていうのは想像しにくいですね 辛酸なめ子みたいになるんやろか