第7回 ピュアホワイト野郎『君に届け』
やっとこさ更新!
さて、ちょいと古い少女漫画を取り上げてきましたので、今回は現在進行形の少女漫画をば。

『君に届け』。
「別冊マーガレット」にて絶賛連載中。単行本は2巻まで発売され、今後もどんどん続きそうな予感の作品です。
先日出た『このマンガがすごい!2006・オンナ版』では、颯爽と現れ2位に輝いたダークホース。今最も注目されている、純・少女漫画なのです。
日本人形のような暗く重苦しい容姿のため、まわりから「貞子」と呼ばれ疎まれる女子高生、黒沼爽子(くろぬまさわこ)。
そんな彼女と、彼女を支える男の子や、次第に親しくなっていくクラスメイトたちが集まる高校が、物語の舞台。真っ当な学園物です。
急速に注目を浴びている理由は、一にも二にも登場人物たちのピュアさ! それはもう目映すぎで、少女時代から汚れ擦り切れちまってたアタシには直視できない、おぞましい純粋さです。
まずは主人公の爽子。
容姿と声のイメージだけで陰気と決めつけられ、霊感少女だの3秒以上目が合ったら呪われるだのと、貞子の名をほしいままに噂を広められる不憫な日々。しかし彼女は決してめげず、恨み言のひとつももらさず前向きに周囲と馴染もうとします。
「一日一善」をモットーに、皆がいやがる仕事も進んで立候補。日課は掃除とゴミ拾い。
ありえない。そんな孤立を強いられ蔑まれたら、人間ぜったい歪みます。うらみ、ねたみ、そねみ、自尊心を保つ為に周囲を凡庸で愚劣な民と見なし、日夜呪い帳を黒く塗りつぶしてはライターで虫を炙り悦にひたる……。それが当然の反応ではありませんか?
どんなに元気で明るい主人公でも、少しは誰かを憎む描写があるもの。それが、ナイ。根暗なイニシエーションを爽子はひとつも踏襲しません。それどころか、クラスメイトの先入観に応じようと、熱心に怪談を覚えようとする始末。
本当に人の子か! 虚構を通り越して偶像! 神々しすぎる!
だけど、ぜんぜん嫌味じゃないんです。あまりにも完璧すぎると読者はついていけなくなるもんですが、彼女の健気さは素直に応援できる。そんな不思議な魅力を持つ少女が、爽子なのです。
ま、詳しいレビューは『マンガがあればいーのだ。』さんのレビューをご参考に。
アタシもこの記事がきっかけで購入したので、読めば爽子の魅力がよ〜くわかります。
んじゃ、アタシの記事いらねーじゃん。『君に届け』の何を伝えるつもりなの?
そこはそれ、ずばりヒロインでなくヒーローです! 爽子を気にかけ、常に支えてくれる同じクラスの男の子、風早翔太(かぜはやしょうた)をフィーチャーしたいと思います。

何を隠そう、そのピュアっぷりにアタシが一番驚かされたのは爽子でなく翔太くん。
少女漫画のヒーローは過去に多く見てきましたが、これはなかった。この優しさ、真っ直ぐさ、行動力は異例です。ほんまにチンコついとんのかいな! 無理矢理ズボンずり下ろして確かめたくなるほどの紳士っぷり!
爽子がクラスメイトからくだらない冷やかしを浴びたときは、「黒沼は女の子なのに …笑えない」と堂々と打ち消し、みんなが爽子の隣を嫌がる席替えの時は、無言で机を隣へ移動する男らしさ。
陰ながら支えるのではなく、かなり積極的に爽子の心を揺り動かし、クラスメイトとの仲を取り持ちます。感動した爽子が涙すると、帰り道に顔をのぞきこんで「あっ、泣いてなかった!」とニッコリ。
このズカズカ入ってくる感じー! 1歩間違えれば無神経と取られかねないが、ハートわしづかみですよー!
橋渡し役を買って出ながら、爽子の良さが周囲に知られだすと「今の(笑顔)は俺にちょうだい ひとりじめ」なんて独占欲を示したりして……女殺しー!
2巻では「自分が近付くと迷惑をかける」と、爽子は翔太や親しくなりだした友達を避けようとします。漫画的には、避けられた方も「嫌われたのか」と避けるようになり、すれ違いの日々がはじまるのが定石。ところが、翔太はすかさず「昨日へんだった! 俺もしかしてなんかした?」と、単刀直入に問いただします。じらしゼロ!
誤解が解けると心から安心し、「絶対もう(避けたら)だめ!」と笑顔で言っちゃうとこはもう……後光が射してます。
ありえないですね。本当に、このすさんだ現代に生きる男の子なのかと。精通を経て朝勃ちに悩み、オナニーに明け暮れてる男子高生なのかと。
主要人物がことごとくピュアホワイトな『君に届け』ですが、こいつが最もホワイト! というかチンコがピュアホワイト! たぶんペガサスみたいな神々しいチンコをしてるんでしょうね。白い羽に包まれて夜空を駆け巡る勢いの。それぐらい超然としているんです。
それはアタシの知ってた少女漫画のヒーロー像とは、あまりにもかけ離れていました。
アタシの時代といえば、「無口でキザでちょっぴり悪だけど、決めるとこは決める」ヒーローが主流でした。
『天使なんかじゃない』も『ときめきトゥナイト』も、主人公のピュアさはともかく、王子役といえば何を考えてるのかわからない不良。とくに『天ない』の須藤晃は主人公と付き合っておきながら以前の片想いを引きずりまくり、「バイト入ってるから」と嘘をついて女教師の誕生日に隠れてデートするという……普通に非道です。もちろん当時の少女も「最低!」と憤慨しましたが、今考えれば「男なんてそんなもの」という現実を、少女漫画なのにちゃんと教えてくれて親切だったなーと思います。王子と言えど人の子。そして、男。
今時の漫画は昔よりすれて、女子も男子もけっこう不純なのかなと思っていたのですが、真逆。純真無垢の境地へと駆け登っていました。これはビックリですよ。
風早翔太くんはどこを探しても見つからないであろう、聖人君子。
これに多感な思春期に熱狂してしまったら、後々現実とのギャップに苦しまないでしょうか? おばさんは思わず老婆心が働きますよ。夢物語とわかって楽しんでるのならいいんですけど、理想になったら酷だぞ〜。
煩悩を解脱したニルヴァーナな翔太くんですが、しっかり人間味もあります。それは、優しすぎても、ちゃーんと分をわきまえているところ。
爽子と女友達の間の溝を知っても、いけしゃあしゃあとでしゃばりません。「……でもこれは俺じゃだめだから あいつらじゃないと意味ねーから」と、当人らに任せて耐えるんです。カ・ワ・イ・イ♪
作者の技量がこなれてないのも良い点ですね。「作ってる」雰囲気、策略を感じさせないんです。こんなにデキスギてるのに、キャラクターを自然に魅せることに成功している。このさじ加減は絶妙なのですよ。
純粋な少年少女を見たいなら、『君に届け』へ。
1巻では爽子と翔太の話、2巻では女同士の友情について描いているのもうれしい。恋愛ばかりが少女漫画に非ず!
たぶん3巻以降に展開するであろう、日本人形vsフランス人形にも期待。10年振りに、発売が待ち遠しい少女漫画の登場です。
さて、ちょいと古い少女漫画を取り上げてきましたので、今回は現在進行形の少女漫画をば。

『君に届け』。
「別冊マーガレット」にて絶賛連載中。単行本は2巻まで発売され、今後もどんどん続きそうな予感の作品です。
先日出た『このマンガがすごい!2006・オンナ版』では、颯爽と現れ2位に輝いたダークホース。今最も注目されている、純・少女漫画なのです。
日本人形のような暗く重苦しい容姿のため、まわりから「貞子」と呼ばれ疎まれる女子高生、黒沼爽子(くろぬまさわこ)。
そんな彼女と、彼女を支える男の子や、次第に親しくなっていくクラスメイトたちが集まる高校が、物語の舞台。真っ当な学園物です。
急速に注目を浴びている理由は、一にも二にも登場人物たちのピュアさ! それはもう目映すぎで、少女時代から汚れ擦り切れちまってたアタシには直視できない、おぞましい純粋さです。
まずは主人公の爽子。
容姿と声のイメージだけで陰気と決めつけられ、霊感少女だの3秒以上目が合ったら呪われるだのと、貞子の名をほしいままに噂を広められる不憫な日々。しかし彼女は決してめげず、恨み言のひとつももらさず前向きに周囲と馴染もうとします。
「一日一善」をモットーに、皆がいやがる仕事も進んで立候補。日課は掃除とゴミ拾い。
ありえない。そんな孤立を強いられ蔑まれたら、人間ぜったい歪みます。うらみ、ねたみ、そねみ、自尊心を保つ為に周囲を凡庸で愚劣な民と見なし、日夜呪い帳を黒く塗りつぶしてはライターで虫を炙り悦にひたる……。それが当然の反応ではありませんか?
どんなに元気で明るい主人公でも、少しは誰かを憎む描写があるもの。それが、ナイ。根暗なイニシエーションを爽子はひとつも踏襲しません。それどころか、クラスメイトの先入観に応じようと、熱心に怪談を覚えようとする始末。
本当に人の子か! 虚構を通り越して偶像! 神々しすぎる!
だけど、ぜんぜん嫌味じゃないんです。あまりにも完璧すぎると読者はついていけなくなるもんですが、彼女の健気さは素直に応援できる。そんな不思議な魅力を持つ少女が、爽子なのです。
ま、詳しいレビューは『マンガがあればいーのだ。』さんのレビューをご参考に。
アタシもこの記事がきっかけで購入したので、読めば爽子の魅力がよ〜くわかります。
んじゃ、アタシの記事いらねーじゃん。『君に届け』の何を伝えるつもりなの?
そこはそれ、ずばりヒロインでなくヒーローです! 爽子を気にかけ、常に支えてくれる同じクラスの男の子、風早翔太(かぜはやしょうた)をフィーチャーしたいと思います。

何を隠そう、そのピュアっぷりにアタシが一番驚かされたのは爽子でなく翔太くん。
少女漫画のヒーローは過去に多く見てきましたが、これはなかった。この優しさ、真っ直ぐさ、行動力は異例です。ほんまにチンコついとんのかいな! 無理矢理ズボンずり下ろして確かめたくなるほどの紳士っぷり!
爽子がクラスメイトからくだらない冷やかしを浴びたときは、「黒沼は女の子なのに …笑えない」と堂々と打ち消し、みんなが爽子の隣を嫌がる席替えの時は、無言で机を隣へ移動する男らしさ。
陰ながら支えるのではなく、かなり積極的に爽子の心を揺り動かし、クラスメイトとの仲を取り持ちます。感動した爽子が涙すると、帰り道に顔をのぞきこんで「あっ、泣いてなかった!」とニッコリ。
このズカズカ入ってくる感じー! 1歩間違えれば無神経と取られかねないが、ハートわしづかみですよー!
橋渡し役を買って出ながら、爽子の良さが周囲に知られだすと「今の(笑顔)は俺にちょうだい ひとりじめ」なんて独占欲を示したりして……女殺しー!
2巻では「自分が近付くと迷惑をかける」と、爽子は翔太や親しくなりだした友達を避けようとします。漫画的には、避けられた方も「嫌われたのか」と避けるようになり、すれ違いの日々がはじまるのが定石。ところが、翔太はすかさず「昨日へんだった! 俺もしかしてなんかした?」と、単刀直入に問いただします。じらしゼロ!
誤解が解けると心から安心し、「絶対もう(避けたら)だめ!」と笑顔で言っちゃうとこはもう……後光が射してます。
ありえないですね。本当に、このすさんだ現代に生きる男の子なのかと。精通を経て朝勃ちに悩み、オナニーに明け暮れてる男子高生なのかと。
主要人物がことごとくピュアホワイトな『君に届け』ですが、こいつが最もホワイト! というかチンコがピュアホワイト! たぶんペガサスみたいな神々しいチンコをしてるんでしょうね。白い羽に包まれて夜空を駆け巡る勢いの。それぐらい超然としているんです。
それはアタシの知ってた少女漫画のヒーロー像とは、あまりにもかけ離れていました。
アタシの時代といえば、「無口でキザでちょっぴり悪だけど、決めるとこは決める」ヒーローが主流でした。
『天使なんかじゃない』も『ときめきトゥナイト』も、主人公のピュアさはともかく、王子役といえば何を考えてるのかわからない不良。とくに『天ない』の須藤晃は主人公と付き合っておきながら以前の片想いを引きずりまくり、「バイト入ってるから」と嘘をついて女教師の誕生日に隠れてデートするという……普通に非道です。もちろん当時の少女も「最低!」と憤慨しましたが、今考えれば「男なんてそんなもの」という現実を、少女漫画なのにちゃんと教えてくれて親切だったなーと思います。王子と言えど人の子。そして、男。
今時の漫画は昔よりすれて、女子も男子もけっこう不純なのかなと思っていたのですが、真逆。純真無垢の境地へと駆け登っていました。これはビックリですよ。
風早翔太くんはどこを探しても見つからないであろう、聖人君子。
これに多感な思春期に熱狂してしまったら、後々現実とのギャップに苦しまないでしょうか? おばさんは思わず老婆心が働きますよ。夢物語とわかって楽しんでるのならいいんですけど、理想になったら酷だぞ〜。
煩悩を解脱したニルヴァーナな翔太くんですが、しっかり人間味もあります。それは、優しすぎても、ちゃーんと分をわきまえているところ。
爽子と女友達の間の溝を知っても、いけしゃあしゃあとでしゃばりません。「……でもこれは俺じゃだめだから あいつらじゃないと意味ねーから」と、当人らに任せて耐えるんです。カ・ワ・イ・イ♪
作者の技量がこなれてないのも良い点ですね。「作ってる」雰囲気、策略を感じさせないんです。こんなにデキスギてるのに、キャラクターを自然に魅せることに成功している。このさじ加減は絶妙なのですよ。
純粋な少年少女を見たいなら、『君に届け』へ。
1巻では爽子と翔太の話、2巻では女同士の友情について描いているのもうれしい。恋愛ばかりが少女漫画に非ず!
たぶん3巻以降に展開するであろう、日本人形vsフランス人形にも期待。10年振りに、発売が待ち遠しい少女漫画の登場です。
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